■ 交換不可能 ■
10番隊には、昔から幾つも妙な慣習がある。
例えば、2ヶ月に一度は必ず、隊長が全隊士に稽古を付けるとか、現世駐在任務の席官を送り出すときには副隊長が新しい
死覇装を送るとか、虚を倒して隊舎に帰ってきたときには、髪の毛を一房切って燃やすとか。
元々は何か意味があって行われていたのだろうが、今ではそれが解らぬまま、ただ行動だけが慣例的に続いている。
10番隊隊長は9番隊副隊長と1ヶ月に一度必ず一緒に仕事をする−−−−これも、そんな慣習の一つ。
10番隊隊長に就任してすぐの頃は、首を捻るしかなかったそれ。
そして今は、心より楽しみなそれ。
しかも今月は、現世での出張任務。
現9番隊隊長−−−六車拳西も着いて来たがっていたが、ヤツはヤツで仕事があって無理だったらしい。
なにゆえ着いて来たがっていたか……いや、それは考えるだけ時間の無駄だ。
今日だって、9番隊に檜佐木を迎えに行けば、はなっから檜佐木を抱きしめてやがった。
オレの来訪を機に、檜佐木は六車と身体を離そうとしたようだが、六車はその逆。
『行って来ます、拳西さん』
『あぁ……気を付けろよ』
『はいっ』
『帰りは……』
『遅くても夕方です』
『あぁ……』
『じゃあ……拳西さん、オレそろそろ……』
『修兵……な、あと少しだけ』
『でも、日番谷隊長がお待ちに……』
『あと10秒だけ……な』
『拳西さん……』
はぁ……まったく、どんだけ檜佐木依存症なんだ、六車のヤツは。
宣言通りきっちり10秒檜佐木を抱きしめて、それでもなお身体を離す瞬間、名残惜しそうに檜佐木の額に唇を寄せていた。
檜佐木は恥ずかしそうに頬を染めたが、嬉しそうに笑っていたっけ。
あんな檜佐木の顔を見て、けれどオレは未だに諦めがつかない。
下心−−−そう表現するのが妥当なのかよく解らない感情は、確かにオレの中にある。
だがオレや阿散井が何をしようと、檜佐木は六車以外見てない。
100年以上、六車しか見てなかったのだ。
どんなに辛かったろうと思う。
生きているのか死んで知るのか、もちろん会えるのか会えないのかも解らない、そんな相手を思い続けることは、想像以上に
辛いことだったはずだ。なのに檜佐木は、決して楽な道を選ぼうとはしなかった。
選ぼうと思えば選べたはずだ。
阿近、阿散井、そしてオレ……楽な道はいくらでもあったはずなのに、檜佐木は一度だってその道を選ぼうとはしなかった。
六車は、その事を誰より理解してる。
だから六車が俺と檜佐木の任務に同行したがるのは、オレと檜佐木を二人きりにするのが嫌なんじゃない。ほんの少しの
時間であっても、檜佐木の傍を離れることが嫌なだけなのだ。
檜佐木との関係に不安を感じないからこそ、六車は全力で檜佐木を求めていける。
それを知っていて、なお檜佐木が諦められないんだから、オレも大概頑固らしい。
何をしたって、檜佐木が六車以外を見ることはない、ってのに。
「ふぅ……これで全部ですね」
「あぁ」
「あとのことは、現世駐在組に任せましょう。オレ達がやることも可能ですが、それじゃ、アイツらが仕事を覚える機会を
奪ってしまうことになりますから」
「……松本に聞かせてやりてぇよ、その台詞」
やはり案の定、であった。
現世に降りてきて2人で1つの仕事をこなしても、まったくそれらしい空気にはならなかった。
隣隊の隊長と副隊長がきっちり仕事をしました、としか言いようがない。
有能な9番隊副隊長のおかげで仕事自体、予定よりも遙かに早く片が付いてしまった。
折角、2人きりになれたというのに、このままではすぐにソウルソサエティに帰還の後、サボった松本の仕事に追われるだけだ。
勝率が低いことを承知で、これから檜佐木をどこかに誘ってみるか。
だが、一体どこに?
そう思って、軽く思案を始めたオレに檜佐木の方から声を掛けてくる。
「あの、日番谷隊長、これからどうされますか?」
「あ……お前は、檜佐木?」
「オレはこれから、ちょっと買い物してから帰ろうと思うのですが」
「買い物?そうか。なら……」
選択肢は1つだろう
「お前に付き合う。急いで帰ることもない」
「宜しいんですか?」
「構わん。どうせ早く帰ったところで、松本がサボった分の仕事をさせられるだけだ」
「はは、そういうことなら……一緒に行きましょうか」
「あぁ。買い物と言ったな?何だ、服か?」
「いいえ今日は違います。コーヒー豆を買いに行くんです」
「コーヒー豆?」
何だか、随分意外な品が飛び出してきたな。
檜佐木のことだからてっきり服やアクセサリーだと思っていたんだが。
コーヒーなんてものが好きだったのか。
だが、どうも違ったらしい。
「オレじゃなくて、拳西さんなんです」−−−−嬉しそうな声で檜佐木が言う。
「現世暮らしの間に気に入ったのか、拳西さん、コーヒーのがすごく好きなんですよ。それで現世に降りてくる機会がある度、
必ずコーヒー豆を買いに行くんです。阿近さんもコーヒー好きですけど、拳西さんはもう中毒ですよ」
「ふーん」
「凄いんですよ。ブラックで飲んじゃって。日番谷隊長はコーヒーって飲まれます?」
「いや」
「お嫌いですか?」
「や、そうじゃなくって、飲んだことがねぇ」
これまでソウルソサエティで生きてきて、コーヒーを口にする機会は一度もなかった。
隊長職に着いてからも、未だにない。
まぁ、松本に頼んでみれば、出してくれないこともないだろうが、その確率はかなり低い。
なにせアイツは、勤務中でも酒を飲む。うちの執務室には、一体どれほどの酒が隠されているのか、オレですら全てを把握
することは出来ていない。本人が酔っているからなのか否か、大体5割の確率で、あいつの出してくる飲み物は酒だ。
そんなわけで松本にあっては、そもそも酒精抜きの飲み物を頼むことすら難しい。隊長であるはずのオレが、
自ら茶を入れることも決して稀ではないのだ。
考えれば考えるほど自分の不遇に、正直げっそりしてくる。
比べて九番隊は、いつ行っても美味い茶と菓子でもてなされる。給仕はもちろんこの檜佐木だ。
毎度茶の美味さと菓子の風雅さ、それらを盛る器の趣味の良さにばかりに−−−もう少し正直に言えば、給仕をする檜佐木自身にも
−−−目がいっていたが、思い出してみると、確かに六車が飲んでいたのは茶ではなかったように思う。あれがコーヒーだったワケか。
美味そうに飲んでいたな。まぁ檜佐木が入れていると言うこともあるのだろうが、よほどコーヒーとやらが好きなのだろう。
コーヒーというのは、そんなに美味いものなのだろうか。
「なぁ、あれは、どういう味がするんだ?」
「あー……一言で言うなら、苦い、ですかね。特に拳西さんは深煎りの豆で濃く入れるのが好きですから」
「へー。苦いなら、茶と似たようなモンか?」
「お茶より苦いですよ。拳西さんが言うには、仄かに甘みと酸味があるんだって言うんですけどね。オレにはよく解らないです」
「………それは、結局のところ美味いのか?」
「うーん、拳西さんは美味しいって言いますが、オレはブラックはとても駄目です。大人ですよね、拳西さんは。ちょっと悔しいや」
「大人?」
「えぇ。なんか……オレの勝手なイメージなんですけどね。コーヒーをブラックで飲めて、それを美味しいって言えるって大人だなーって」
「……ふぅん」
大人、ね。
その単語が、オレの自尊心を挑戦的に逆撫でた。
「………あるのか?今からお前が行こうとしてるところに」
「え、コーヒーを飲む場所、ってことですか?はい、ありますよ。」
「そうか」
「もしかして、コーヒーを……?」
「そういうことだ。解ったら、そこへ連れてけ」
「はいっ」
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「日番谷隊長、ここです」
「へー……」
浦原商店で義骸に入り、人間と寸分違わぬ姿形になったオレを、同じようになった檜佐木が連れていったのは、黒崎の家から
さほど遠くないところにあるコーヒーの専門店だった。
檜佐木の説明によれば有名なチェーン店なのだという。全国に何百店舗を構えているというのだから、それは凄い。しかも
コーヒー専門店から今日の発展があるというらしく、今でも昔を知る客にコーヒーの味は定評があるのだとか。
六車と現世に来たときには、必ずここに寄るのだと、檜佐木は笑顔で言った。
大分常連らしく、お気に入りのメニューもあるらしい。
「日番谷隊長、どうされますか?」と、慣れた様子でメニューブックを見せてくれる。
しかし、コーヒーが売りの店だけあって、随分と種類が多く、どれを選べば正解なのか、ほとほと見当が付かない。
「………お前はどれにするんだ?」
「オレはこれです」
「……?」
檜佐木が指差して見せたのは、ブラックというヤツではない。
何だか以前、現世で松本に無理矢理飲まされたシェイクとか言うものに似ていて、美味しそうだった。
これもコーヒーなのかと聞くと、一応ちゃんと含まれてますよという。
「日番谷隊長も、これにされますか?」
「オレは……」
問われて、ふと考える。
檜佐木が注文しようとしているものは、見た目にもとても美味しそうで、大変魅力的な飲み物だ。
だが……
(……大人、か)
護廷隊に入隊し、檜佐木に出逢ってから今日までの月日、小さかったオレの背はゆっくりとだが確実に伸びてきた。
四肢も、入隊時に比べれば少しは逞しくなったように思う。
だが、やはりまだ埋められない差。
檜佐木との差ではない。
檜佐木との差が気にならないと言えば嘘になるが、最近のオレが気になって仕方がないのは、檜佐木の恋人、六車との差のことだ。
オレに限らず、大抵の男は六車と並べば見劣りがする。あのでかい阿散井でさえそう。
ならば、オレとの差は言わずとも歴然。
六車は大人だ。
色々な意味で。
そしてオレは−−−−
「どうされますか?オレと同じもので……?」
「……いや、ブラックで良い」
「え、でも、コーヒー飲まれるの初めてなのでは?」
「かまわん。飲めないことはないだろう。種類は任せる」
「それなら……今日は暑いですからアイスコーヒーで……銘柄はいつも拳西さんが飲んでいるのでもいいですか?
あ、でもそれじゃキツイかな……」
「構わん」
むしろ願ったりだ。
オレのオーダーが相当意外だったことは、檜佐木の驚いた顔でよく解った。
ちょっと背伸びをしたくなったのかな、なんて思われているかもしれない。
だが、こんな些細なことでも良いから、檜佐木よりも大人に、そして六車と肩を並べてみたかった。
でなければ、いつまで経っても六車には勝てないし、そもそも追いつけないような気がしたのだ。
まぁ、大袈裟に考えすぎと言えば、そうなのだろうが。
「じゃあ、オレ、席まで持っていきますから。日番谷隊長、お好きな席で待っていて下さい」
「あぁ、頼む」
ここは、店員が席に案内するタイプの店じゃないらしい。適当な席を探して店内を一巡り。そこそこ席が埋まっていたが、
大方は喫煙席ばかりだ。禁煙席はすいている。
つい最近、黒崎のヤローから聞いた話だと、現世は今社会的な禁煙ブームで、煙草を吸える店が減ってきているらしい。
ここのように−−−席が分けられているとは言え−−−煙草を吸える店は、愛煙家達にとってはオアシスみたいなものなのだろう。
オレ達死神は煙草を吸っても、人間と同じように体を壊してしまう心配はねぇし−−−だから、技局の阿近なんざひっきりなしに
吸ってるわけだが−−−そもそも今は義骸に入っているわけだから、人並みに健康を気遣う必要がそもそもない。
だがなんとなく檜佐木のことを考えると、そんな気遣いもしてみたくなるのだから不思議だ。
禁煙席の中でも喫煙席からなるべき離れた席を選び腰を下ろした。
ふぅ、と息をつき、改めて店内を見渡す。
良い店だと、率直にそう思った。
チェーン店とは言っても、店のインテリアはオレ好みのシックな雰囲気で、客のほとんどが読書をしながらゆっくりとコーヒーを飲み、
デザートを食べている。
檜佐木と六車は、ここでいつも何をしているのだろう。
そりゃ、コーヒーは当然飲んでいるのだろうが、どんな話をしているのだろう。
あるいは話などしないで、ゆっくり流れる時間を共有し合っているのだろうか。
六車は、あのシェイクによく似た飲み物を飲む檜佐木を微笑ましく見守り、檜佐木は檜佐木で、ブラックのコーヒーを飲む六車の姿
−−−悔しいが、きっとサマになっているに違いない−−−を、うっすら目元を紅に染めてそっと見つめている。
(………想像出来ちまうところが、また悔しいな)
六車と檜佐木ほど、2人一緒の光景がしっくり来るヤツらはいない。
100年以上の空白を経て、それでも何一つ揺らぐことのなかった2人だからこそ、醸し出す空気があるのだ。
しかも、決して埋めることが出来ないその空白を、あいつらは埋めて行ってる。
時をさかのぼるようにして、あいつらはお互いが一人で過ごしてきた時間を共有し合ってる。
だから焦る。
等分にあったはずの時間のハンデが、六車にはなくなったのだ。
檜佐木が生きてきた時間を、あいつはもうほとんど手に入れている。
一方、オレと檜佐木との間に横たわる空白の時間−−−結果的に身体の大きさの差として現れているそれは、ほとんど埋まっては
いない。むしろ、開いているんじゃないかと、時々錯覚してしまう。
だから、どうにかして、この空白を埋めたくなる。
せめて、早く大人になりたいと思う。
だからといって、まぁ……コーヒーをブラックで飲んだところで、それが埋まるとも思えないが。
(オレも、大概発想がガキだな……)
今更のように気付かされる事実に、心中で自笑していると、肩肘にこの店のモノとおぼしき紙袋を下げ、両手にストローの刺さった
プラスチックカップを持った檜佐木がやって来た。
「お待たせしました。一緒にコーヒー豆も買ってきたものですから。えっと、こっちが、日番谷隊長のですよ」
「あぁ……ありがとう」
「本当に、大丈夫ですか?せめてミルクとシロップ位……」
「気にするな。美味いヤツには美味いのだろう?」
「えぇ、まぁ……」
「なら構わん。このままもらう」
色の類だけ見れば、麦茶のご同類のようだし、香りも香ばしい。悪くはない。
透明のプラスチックカップの中で、ゆらゆら動く氷との取り合わせも悪くはない。
正直なところを言えば、想像以上の液体の黒さに若干腰は引けた。
だが、負けず嫌いなオレの性格は、「これを飲まない」という選択肢を速攻で斥けたのだ。
檜佐木に気取られぬよう、ゆっくりと息を吐き出してから、オレはストローに口を付けた。
そして、プラスチックカップに入った中の液体を、勢いよく吸い上げる。
さて、どんな味だ?
(………うげ)
ちょっと待て。
何、だ。これは。
想像以上に苦い。正直なところ、不味い。
六車は、こんなのをいつも飲んでるのか。
確かに大人だ。何故こんなのが美味いんだ。
表面上は強気で平静な表情を保ってみるが、本当に苦い。
これ、果たして全部飲みきれるだろうか。
そんな、らしくない心配をしていると………。
「はい」
「へ?」
「日番谷隊長は、今日はこっちにしましょう?」
「え……いや、だって、お前これ……」
ブラックのコーヒーに、お手上げになっていたオレに、檜佐木が渡してくれたもの。
それは今の今まで、檜佐木の手の中にあったものだった。
その代わりに、オレが手にしていたコーヒーは檜佐木の元へ。
驚くオレを席に残し、しばらく檜佐木が席を離れる。
すると一分も経たないうちに戻ってきたその手に持っていたのは、透明度が一気に下がったコーヒー。
ミルクとシロップを入れてきましたと檜佐木は言い、また席に着く。
そして、当たり前のようにオレが飲んでいたはずのものに口を付けた。
それが何を意味するか一瞬で悟ったオレは、またも言葉を失う。
だが、檜佐木はオレに向かって、にこりと笑うと「日番谷隊長はそちらをどうぞ」と、一言。
「それ、まだ口付けてませんから。甘くて美味しいですよ」
「いや、けど……お前は」
「オレは、ミルクとシロップさえ入れれば普通のコーヒーでも飲めますから。日番谷隊長は、今日はそっちで」
「しかし……」
「コーヒーも、そうなってると飲みやすいですよ。飲んでみて下さい、美味しいですから」
「あ、あぁ……」
邪気のない、しかし決して譲らないオレを気遣う笑顔に気圧され、そろそろとストローに口を付ける。
先程のコーヒーよりも更に冷たく、しかし違和感なく喉を通る味。
悔しいことにそれは、甘く、ほんの少しだけほろ苦くて、今のオレの好みにぴったり合っていた。
ほんの少しだけ、大人の世界を覗くことの出来る味−−−−無理に背伸びをするなと言うことか。
「どうですか?」と問う檜佐木に、「美味い」と正直に伝える。
「コーヒーというのも、悪くはないな」
「よかった」
「だが……悪かったな。オレが変に意地を張ったせいで、好みじゃないモノを飲ませることになってしまって」
「気になさらないで下さい。オレ、こっちも嫌いじゃないですし。日番谷隊長も、そのうちきっと、美味しくなりますよ」
「何故……そう思う」
「?……だって、日番谷隊長、絶対格好良い大人になりますもん。今ももちろん格好良いですけどね」
「っっっ……」
こいつ……つくづく思っていたが、本当に天然美人だ。
なんたって、こう言うストレートな台詞を、あっさり口に出来てしまうのだ。
………苦労が絶えんだろうな、六車も。
「ね、日番谷隊長。ゆっくりでいいじゃないですか。急に大人になっちゃったら、淋しいですよ」
「………そう、か?」
「そうですよ。無理に時間を早めちゃ勿体ないですよ。早く十番隊隊長に相応しい男になりたいって言う日番谷隊長のお気持ちは、
よく解りますけれど、今でも十分日番谷隊長は隊長に相応しい方ですよ」
「でも……でもオレは………」
「せめて今くらい、オレの時間で過ごしましょう……ね?」
「檜佐木……」
あぁ、そうだ……な。
早く大人になって、お前を追い越して、六車に追いついて、けれど、後ろを歩くお前の手を取れないようじゃ意味がないんだ。
オレだけ一人で速く歩いても、意味がないんだ。
六車の時間にお前がいるように。
お前の時間に六車がいるように。
いつかオレの時間にお前がいて欲しい。
お前の時間の中にオレを存在させて欲しい。
だから……そうだな、今は。
「ゆっくり、だな」
「はい」
「檜佐木」
「はい」
「ありがとう……」
あとがき:ひっつんは、一番拳西さんに追いつきたくてしょうがない子です。
恋次や一護は拳西さんに「勝ちたい!」なんですけど、ひっつんはとりあえず
「拳西さんに追いつきたい!」なんです。ひっつんは意外と(笑)謙虚です。
えぇ、阿近さんはもちろん、ゴーイングマイウェイで修兵さんを愛しますよ。
ちなみに拳西さんは、ストローでコーヒーを飲む修兵が可愛くてしょーがありません。
あと、熱いコーヒー冷まそうとして、一生懸命コーヒーの表面を吹いている修兵も
可愛くてしょーがありません。
修兵は拳西さんが椅子に斜めに腰掛けて、ブラックコーヒーをぐいっと飲む姿が
格好良くってしょーがないそうですよ(笑)
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